今シーズンのインフルエンザの特徴と感染予防の方法
毎年猛威を振るっているインフルエンザ。10月から3月にかけてが流行シーズンとなりますが、中でも2月が流行のピークとなります。
また、海を渡ったアメリカでは過去10年間で最悪の流行となっており、2月初旬現在で1500万人が罹患し、14万人が入院、8200人の死者が出ているそうです。
そんなインフルエンザの今シーズンの特徴と予防方法について確認していきましょう。
今シーズンのインフルエンザの特徴は
当院では、インフルエンザの患者さんの数は例年並みで12月から毎日のように受診される方がいらっしゃっています。
例年、インフルエンザの流行は初期にA型が多く、後半にかけてB型に感染する方が増えてきます。今シーズンに関しても、2019年末まではほとんどの患者さんがA型インフルエンザでした。年が明けて1月に入り、徐々に微熱や下痢症状を呈するB型に感染されている方が出てきています。
A型とB型は、A型の方が高熱が出やすく、B型は高熱が出にくいという傾向があります。ですが、今シーズンは診察したB型の患者さんも高熱が出ているので、その傾向は当てはまりにくいのかもしれません。
熱が出る、頭痛や関節痛、筋肉痛、食欲が落ちる、全身症状などインフルエンザにかかると出る特徴は今シーズンも変わりありません。
インフルエンザ予防の注意点
インフルエンザ予防に関しては、かぜの予防などと大きく変わりません。手洗い・うがいの励行、マスクの活用が基本となってきます。
手洗い・うがい
まずはウイルスを体内にず、体外に排出するということが重要になります。
インフルエンザへの感染方法としては主に、手などで触ってしまい感染する接触感染と空気中に漂っているウイルスから感染する飛沫感染の2種類があります。例えば電車に乗っている時などは、手すりや吊革を触った手で直接顔を触ることで接触感染をしたり、乗客の方の咳やくしゃみで空気中に飛び散ったウイルスから飛沫感染してしまうリスクがあります。
これらの感染を防ぐために手洗い・うがいを行いましょう。
手などに付着しているウイルスは手洗いで洗い流し、口の中に入ってしまったウイルスは細胞に吸収される前にうがいで体外に排出します。手洗い・うがいのやり方に関しては『医師が教える手洗い・うがいの正しいやり方』をぜひ一度ご覧ください。
帰宅時や食事の前などに手洗い・うがいを行うようにして予防に努めることをおすすめします。
マスクの活用
もう一つの対策がマスクの活用です。
マスクはウイルスの体内への侵入を防ぐ目的で使用しますが、市販されているもののフィルタリング機能ではウイルスを完全に排除することはできません。では、なぜマスクを活用するかというと喉の保湿を行い、バリア機能を維持するためです。
喉には「のどバリア」とも呼ばれることがあるバリア機能があります。
体内に入ったウイルスは細胞(喉の場合は粘膜細胞)に侵入して増殖することで感染が成立し、症状が発症します。ですので、細胞に侵入させないようにすることが重要となります。
細胞への侵入を防ぐために重要になってくるのが粘液です。
粘液は粘膜細胞を覆いまもる役割とウイルスを体外へと排出する役割を担っています。
粘液の量は乾燥してしまうと減ってしまうため、喉の湿度をしっかりと保つことが大切です。マスクはその保湿のために効果を発揮します。
喉の潤いを保ち、「のどバリア」をきちんと機能させるためにマスクを活用しましょう。
きちんとした対策を取りましょう
インフルエンザは発熱や体の痛みなどで日常生活に支障をきたすだけでなく、免疫の低下している状態では、最悪の場合死に至ることもあるウイルスです。
ですが、日々の予防によって感染を防ぐことは十分に可能です。今回紹介した予防法やしっかりとした休息、睡眠時間の確保、栄養摂取などで免疫力を高め、インフルエンザに感染しないように努めましょう。